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「まだ、時間いい?」
「はい」
「じゃあ、来るとき話した夜景の綺麗な場所にご案内させていただきましょう」
「……はい」
タクシードライバーのようなわざとらしい丁寧語と、そして何より……小さな約束を覚えていてくれたことがうれしくて、なんだかくすぐったい。
勢い良く駐車場を出た車は、来た道とは違う方向へと進んでいった。
「よく行かれるんですか?」
高まる鼓動をごまかすために、平静を装って会話を振ってみる。
「そうでもないけど、たまにかな」
「女性と?」
「気になる?」
「えっ……」
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