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星明かりにやっと慣れた瞳が、うっすらと浮かぶ優輝さんの優しい表情を捉える。
それに応えるかのように優輝さんもしっかり私に向かい合う。
夢心地と現実の狭間で漂う感情を、精一杯奮い立たせる。
ーー今こそ、本当に一歩踏み出す時。
喉まで出て来ている想いが、緊張で強張る。
すると突然、軽く微笑んだ優輝さんは、大きく両腕を左右に広げた。
「おいで」
ーーやっぱりこれは夢なの?
信じられない光景が目の前にある。
勇気を振り絞って半歩前に歩み出ようと試みる。
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