可愛い子には旅を……

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「ソフィア姉さまほどではありませんが、情報収集なら私も得意です。それに私はリデル様の侍女になったのであって、皇女の侍女になったつもりはありません」     屁理屈だけど、自信満々に言い切ったよ。 「なるほど、シンシアの言い分はわかった」 「では、連れて行って……」 「駄目だ、お前は残れ」  クレイははっきりと断言した。 「何故です、納得できません。必ずお役に立てるのに……理由を教えてください」 「俺にそれを言わせたいのか……」 「ちょっと待て、二人とも!」  オレは二人の間に割って入った。 「リデル……」 「リデル様……」  二人が同時にオレを見る。  クレイが何を言おうとしたかオレにはわかってしまった。  前に一度だけ言ったクレイの決意。  いざという時はオレ以外のすべて切り捨てるって。  きっとそれは、シンシアもわかっている。  だから、クレイの口から、絶対に言わせちゃ駄目なんだ。 「クレイ、ここはオレに任せてくれ。シンシア、少し向こうで話そう」  オレはシンシアを連れ、クレイ達から少し離れる。
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