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「どうするクレイ?」
「そうだな……」
どのくらいの規模の盗賊団かは知らないが、クレイとオレなら相当の手練れが何人かいるか、よほどの大人数で囲まれない限り、切り抜けられる自信はある。
ただ、たった二人で盗賊団を向こうに回して勝つようなことがあったら、目立つことこの上ない。
「あまり注目を集めるのも良くないしな、ここは護衛隊に一口乗せてもらおうか」
「了解だ」
初手から目立って騒ぎを起こすのは賢明な策じゃない。
朝食が済んだら、宿を引き払い噴水広場とやらに向かうことにした。
◇◆◇◆◇
「そ、そんなお金とても払えません」
広場に若い女性の声が響いた。
オレ達が広場へ着くのと同じくらいに広場では一騒ぎ起こっていた。
見ると10代後半と思われる女性とジュバラクの護衛隊の隊長と揉めているようだ。
「払えないなら、自分一人でジュバラクに行けばいいだけだろう。こちらとしても無理に護衛したいわけじゃない。それに上手くすれば盗賊団に遭わないかもしれんしな」
「そんな……」
「他の人間は、ちゃんと払っているんだ。例外を認めるわけにはいかんだろう」
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