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「でも、先ほどの方より明らかに高くなってます」
「当たり前だろう。あんたは自分の価値がわかってないのさ」
「私の……?」
「そうさ、あんたみたいな別嬪さんを連れて行ったら、盗賊団に襲われる可能性が高まるんだよ」
確かにその女性の容姿は優れていた。
村一番の美人と言われれば納得するレベルだ。
「だから、割り増しの料金をもらうのは当然のことさ」
護衛隊長の言葉に若い女性は絶句する。
「だがしかし、俺も人でなしってわけじゃない。あんたがジュバラクに着いたら、俺と一晩付き合ってくれるなら、割り増し分の減額どころか半額にしてやってもいいぜ」
ニヤニヤしながら女性の体を嘗め回すような視線を向ける。
こいつ、最低な奴だ。
そう思った瞬間、身体が動いていた。
「お姉さん、こんな奴に頼るのを止めて、オレ達を雇ったらどうだい?」
二人の間にオレが割って入ると、お姉さんは目を丸くし、護衛隊長は唖然とした顔をした。
後ろで、クレイが盛大にため息をつくけど、知ったこっちゃない。
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