とある皇女の一日

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「それより、これから神殿で祭事があるなら、今日は忙しいんだな」  ぶつぶつぼやいているオレにオーリエは気にかけず質問してくる。 「ああ、そうなんだ。せっかく集まってくれたのに、もう出掛けなくちゃいけないんだ。ごめんな」 「いや、突然押しかけた私たちが悪いんだ。気にしなくていい。本来なら皇女様に会うためには、たくさんの手続きと時間かかるところをこうして会ってもらえたんだ。礼を言わなきゃならないのは、こちらの方さ」 「そんなことないよ、みんなならいつ会いに来てくれてもいいから」  本当にそう思う。  皇女になって急にいろいろな人が回りに増えたけど、どこか余所余所しくて、距離があるように思えてならなかった。  ここに慣れていないせいなのか、立場のせいなのかよくわからない。  正直、居心地の悪さを感じているのは事実だ。  だから、今日みんなと話せて、ほっとした気分になった。  これからも、この関係を大切にしていきたいと強く願っている。  そのために出来ることを惜しまないつもりだ。  神殿へ出発するまでの時間、オレは久し振りにのんびりとした気持ちで過ごせて本当に嬉しかった。
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