思わぬ結末

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 痩せ細った老人とそれを支える若い女だった。  老人は……本当は老人という年齢ではないのかもしれないが、病が色濃く見える外見は実年齢をわからなくしていた。  女の方は使用人ではなく神官服を着ている。  意外な登場にオレは驚いて声を上げた。 「ソフィア、どうしてここに?」  そして、オレ同様にスレイドも声を上げた。 「父上、どうしてここに?」  どうやら、年老いて見える男は領主のゼノール男爵のようだ。  何でソフィアが御領主様と一緒にいるんだ?  オレの疑問をよそにゼノールは声を荒げた。 「スレイド、これは何の騒ぎだ」  さすがに張りはなかったが、領主らしい威厳のある声にスレイドは慌てふためく。 「こ、この者達が領内で狼藉を働いたので、掣肘を加えていたのです」 「ふむ、わしの目には一方的に倒されているように見えるが……まあ良い」  ゼノール男爵はオレの方に顔を向けると丁寧な口調で話し出した。 「お初にお目にかかる。わしは領主のゼノール男爵と申すもの。息子が面倒をおかけしたようで、面目もござらん」  どう反応してよいかわからず、思わずソフィアの顔を窺う。  それに気づいたゼノールは笑って続ける。 「そこにおられるソフィア殿より、パテイオ大神官からの親書を拝見した。神殿に縁のあるお方で高貴なご身分であるが故あって名を伏せておられるとか。ご配慮の件、しかと承った。安心されるがよかろう」  そうか、ソフィアはオレ達が政庁舎に連れ込まれるのを見て、男爵の下へ親書を携えて乗り込んだのか。  さすがはソフィアだ。
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