ロスラム傭兵団

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クレイの返答にオレは驚きの余り二の句が告げずにいた。  怒らないまでも絶対に反対されると思っていたからだ。 「ホントにいいの? 大会に参加しても」 「お前が考えもなしに参加したいと言うなら反対もしただろうさ。でも、よく考えて出した結論なんだろう。反対する余地はないな」  お前を信じてる――そんな風に聞こえた。 「私も人のことは言えませんが、クレイもリデルに対しては大甘ですねぇ」  ヒューがニコニコしながら言葉を挟む。 「お前にだけは言われたくない」  クレイが真顔で反論したので、思わずオレは吹き出した。  どっちもどっちもだし、二人ともオレに甘すぎる。  オレは笑いを抑えながら、ネフィリカに声をかけた。 「という訳でネフィリカ。聞いていたとおり、大会に参加するつもりなんだ。だから、悪いけど、一時的にアルサノーク傭兵団に入らせて欲しいんだけど……」 「え……はい、こちらこそお願いします」  あくまで、オレが大会に参加したいので、アルサノークに入団する形式をとった。  ネフィリカからの依頼ではなく、こちらから入れてもらう流れの方が負担にならないだろうと思ったからだ。 「もちろん、俺も入らせてもらう」 「当然、私もです」  クレイとヒューも同調する。 「は、はい……」  ネフィリカは今にも泣き出しそうだ。 「で、ディノン。そんな訳で、今回のいざこざは、アルサノーク傭兵団とロスラム傭兵団との諍いで、決着は大会でつけることになったと報告してくれるか」 「ふむ、お前らがそう言うなら、俺としてそれで構わないさ」  ディノンはあっさり同意した。  なんていい加減な奴だ、オレとしてありがたいけど。
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