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その後、今後の具体的な方針を決めることになったのだけれど、一刻も早くユールとガイウスにオレ達の加入を伝えたいとネフィリカがアルサノーク傭兵団の本拠に戻りたがったので、一足先に帰ってもらうことにした。
いろいろ秘密の打ち合わせもしたかったので、こちらも都合が良かったのだ。
ただ、帰る途中でまたロスラムの連中に遭遇すると危ないので、ソフィアを護衛につけることを提案すると、ネフィリカに微妙な顔をされた。
「一応、私もこの大会に出場するつもりです。集団ならともかく一対一なら、そこらの傭兵に引けをとらない腕と自負しています」
まあ、そうだよな。
一見すると、ソフィアはたおやかで優しそうだし、ネフィリカの方がずっと強そうに見える。
「まあ、そう言わないで連れて行って欲しい。役に立つ優秀な女性だから……ソフィアもよろしく頼むね」
「はい、リデル様。お任せください」
「リデルさんが、そうまで言うなら従います」
二人は連れ立って、部屋から出て行った。
「さて、ところでディノン。あんたはいつまでここにいるのさ?」
いつまでたっても一向に立ち去る気配のないディノンにオレは質問する。
「ん、俺か。俺は現在、事情聴取中だかられっきとした勤務だ」
どう見てもサボっているとしか見えないけど。
「それはそうとディノン。グビル団長が言ってたが、確かグレゴリ(傭兵団)は大会運営に参画しているんだよな」
クレイが何事か考えながら、ディノンに確認する。
「ああ、そうだけど」
「それじゃ、今大会については詳しいか?」
「まあ、それなりにね」
「じゃあ聞くが、確か登録時に本名は必須だが、出場者名は通り名や二つ名でも良かったはずだよな」
「え? ああ、そのはずだと思うが……」
「なるほど、ではお前に頼みができた。ちょっと耳を貸せ」
そう言うと、クレイは悪い笑顔でディノンに耳打ちする。
何かまた、良からぬ悪巧みをしてるな、クレイの奴。
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