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ネフィリカが持ち帰ってきた情報によると、次の対戦相手はソラリス傭兵団と言うらしい。
貴族の三男坊が立ち上げた傭兵団で、とにかく団員の装備が充実しているとの話だ。
ただ、大会での武器は模擬剣になるので、攻撃力については心配しなくて良いが、防具は自前なので防御力は明らかにアルサノークより高い。
さらに少数精鋭のため、団としては小規模だが、それぞれのレベルも高く侮れない相手のようだ。
まあ、うちも似たようなものだが、あちらには実績に裏打ちされたネームバリューがあるので、賭け率等は断然向こうの方が高い。
サラは良い笑顔で、次は幾ら賭けようかとワークと話し合っている。
あちこちで行われている賭けは前にも言ったが、公的なものではなく全て私的なものであるため、出場者が賭けに参加することは原則的には禁止されていない。
だから、オレ達も自分自身の試合に賭けることができたりする。
ただ、八百長などの不正を疑われる可能性があるため、暗黙の了解で行わないことになっているそうだ。
もっとも、抜け道はたくさんあるので、サラ達の話にガイウスは気になっている素振りを見せている。
「ソラリスは正規軍への参入を目指しているとの、専ら(もっぱら)の噂です。なので、正々堂々とした戦いを挑んでくると思われます」
「まあ、こちらも奇手は控えたほうが良いだろうな。誰かさんのせいで必要以上の注目を浴びているからな」
クレイがオレを横目に見ながら、意見を述べる。
ぐぬぬ……と思うが、確かに言うとおりなので、反論はしない。
これ以上目立つのは、いろいろと不味いのはオレにもわかっていた。
「では、次回の試合については、これぐらいにして初戦突破のお祝いをしましょう」
ネフィリカの言葉を受けて、やっと祝勝会が始まった。
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