カンディア武闘大会

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◇◆◇◆◇  結果だけ先に言えば、第二戦もオレ達の圧勝だった。  クレイから目立つなと厳命を受けたオレは、試合開始早々に初戦と同じように一人突進した。  敵の前衛二人は前回の試合のイメージが焼きついていたのか、オレが中央から右斜め前へと進むと釣られたような形で陣形を右へと移動させる。  観客もオレと敵前衛との激戦を、大いに期待しているらしく大歓声が飛び交う。  けど、オレがそうやって十分に前衛を引き付けると、大将や守備を固めている後衛との間にスペースが生じた。    そこへ、クレイとヒューが猛烈な勢いで突っ込んでいく。  慌てた後衛が大将を守ろうと前進したが、二人の圧倒的な剣技で瞬く間に粉砕された。  軽装なクレイに加えて、被り物をつけて視界の悪いはずのヒューがそれを物ともしない俊敏な動きで、相手を叩きのめす。  その全く無駄の無い動きに、前衛二人と戦っている最中というのに、思わず見とれてしまったほどだ。  そして、次の瞬間にはクレイが大将を引き倒し、ヒューがその首筋に模擬剣を突きつけると、第二戦はあっけなく終了した。  散々、オレに見せ場を作れとか何とか言ってたくせに、二人だって瞬殺じゃないか。  前衛二人がかりの猛攻を難なく受け流していたオレは、試合が終わったことを相手に告げると二人は呆然とした顔付きで手を止め、クレイ達に目を向けていた。  まあ、普通はそう思うよな。  装備も前評判も圧倒的に向こうの方が良かったもん。  負けるとは露にも思っていなかったのだろう。  信じたくない気持ちもわかるけど、結果は結果だ。諦めるしかない。  大将役のソラリス傭兵団の団長である貴族の三男坊はがっくりと膝を付き、敗戦のショックか何やらぶつぶつと呟いている。  夢見ていた今後の計画が無に帰して、心が遠い世界に行ってしまっているようだ。  だ、誰か早く回収してやってくれ、何だか気の毒すぎるぞ。
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