告白

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「クレイ君、気持ちはわかるが、今ここで私が何か言い訳したとしても、それがいったい何にになると言うのかね。私が裏切ったという事実は決して消えないし、過去も変わらない。今さら何を言っても無意味なことと思えるのだが……」  ドゴスは諭すような口調で、やんわりとクレイの質問を退ける。 「そんなことはない。誰だって真実を知りたいと思うし、ましてや自分の生き死に関係したことなら是が非でも知りたいと思うのは普通のことさ……それに」  真っ向から反論するクレイは、わざとオレの方を見ないで話を続ける。 「あんたの知ってるリデルがここにいれば、必ず本当のことを知りたいと望むはずだ」  いきなり、オレの名前を出すなよ。びっくりするじゃないか。  でも、クレイの言うとおり、オレも真実が知りたい。 「リデル君?」 「そうだ、あいつはあんたのこと、ずっと父親の仇だと思ってる。俺はそれが正しいことなのか、あいつのためにも本当のことが知りたいんだ」 「相変わらず、君は彼にぞっこんなのだね。隣の彼女が悲しむよ」 「茶化さないでくれ」 「茶化しているつもりはないよ。ただ、私が彼の父親を殺したのは客観的事実だし、彼が私を憎むのは当然のことで、そこにどんな理由があろうと関係ないだろう」  ドゴスは取り付く島も与えず淡々と答える。  クレイは尚(なお)も食い下がろうとするが、オレがそれを押しとどめた。  そして、オレはドゴスの前に立ちはだかると、ゆっくりと口を開く。 「デイル・フォルテの息子のリデルとして問いたい。あの時あの場所で何があったか真実を教えてくれ。関係ないかはオレが決める」
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