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食事を済ませると、会議に参加するためにオレの身支度が始まる。
別に普段の格好で良いと思うのだけど、重要な会議な上にオレのお披露目も兼ねているので、それなりの格好をしなければならないのだそうだ。
また、皇女の生活用に特別な予算も組まれているので、使わないのも問題らしい。
という訳で、シンシアも入れて6人の侍女が衣装係としてオレを取り囲んでいた。
本来、皇女付きの侍女は十数人いるのが普通で、シンシア一人しか身の回りに置いていないオレは変を通り越して異常なんだそうだ。
自分ことは自分でやる主義だし、いちいち世話されるのも面倒なので、皇女になる時に、一番最初にケルヴィンに申し入れた提案だ。
当面の身の回りの世話はシンシア一人に任せると。
ケルヴィンはとても驚き、それでは皇女としての体裁が整わないと大反対したけれど、オレという人間をつぶさに観察し、身辺には信用の置ける者以外置いておけないと判断したようだ。
オレの実態が万が一、外に漏れるようなことがあれば、せっかく築き上げたオレのイメージが無に帰してしまうと考えたらしい。
悪かったな、お上品でなくて。
そもそも、皇女付きの侍女というのは、身の回りの世話はもちろんのこと、話相手になったり秘書的なことも担ったりするそうだ。
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