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「トルペンがどうかしたの?」
「未だに姿を現さないのはいつものことなので仕方がないとして、あの容姿は問題です。あれでは参事会に出られません」
「まあ、普通はそうだよね」
「落ち着いている場合ではありません。殿下が大丈夫だと断言したので、様子を見ていたのです。どうなさるおつもりですか」
「え、そんなこと言ったっけ?」
「殿下!」
「冗談だよ、そんなに怒るなよ」
うっかり冗談も言えない。
「トルペンは大丈夫だ。ちゃんと参加はできる筈だ。ただ……」
ノルティからトルペンの様子は逐一報告を受けているので、現状はわかっている。
アストラル界で修復している本体は順調に回復しているようだが、あと半年は復帰できないそうだ。
なので、あの姿(トルペン美少年バージョン)は、まだしばらく続くことになるらしい。
しかも、あのバージョンは一時的な擬似生命体に過ぎないので、あれ以上の成長はできないとのことだ。
ケルヴィンの危惧するとおり、あのままでは、とても参事会には出席できないだろう。
そもそもトルペンだと言い張っても信用されないに違いない。
その解決策としてトルペンが提案してきたのが、
「幻覚魔法を使うそうだよ」
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