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一方のカイロニア陣営のリセオット内政官は、急病で引退したブロラス内政官に代わって抜擢された人物だ。
オレを除いた参事会唯一の女性で、美人だけど何処か険のある目つきが冷たさを感じさせ、怜悧な狐を思わせた。
アーキス将軍は知っての通り、帝国でも指折りの戦巧者の上に人格者で兵や民からも人気が高い。
オレもルマで、いろいろとお世話になったし、動物分類では、おまけして老獅子ってことにしてあげよう。
最後のザーレフ大神官は何とも形容しがたい人物だ。顔や服装の下に見え隠れする肌は色白で、きめ細かい柔肌が乳児のそれを連想させる。
豪奢な神官衣がはち切れそうな体型と風貌は、どこから見ても……言いにくいけど、豚のように見えた。
何よりオレに向ける崇拝の視線の裏に、どこか好色的めいた色合いを感じ、生理的な嫌悪感を覚える。
うん、極力関わらないようにしよう。
カイロニア陣営の方はライノニア陣営とは逆に、(含むところもあるが)概ねオレに対し好意的な印象を持っているように感じた。
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