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「皇女殿下が帝都におわす事を考えるに、近衛軍を再編成し防備することは、極めて自然なことと思われますな」
真っ先にラーデガルド前尚書令が賛同する。
「大神殿としても、帝都の防衛を担う戦力が我が神殿騎士団と帝都守備隊だけというのは、常々問題だと思っておりました。我が騎士団はともかく貧弱な帝都守備隊では帝都防衛の任は荷が重過ぎるでしょう。近衛軍の再編成は願っても無い話です」
ニールアン前聖神官も同様に賛意を示す。
この二人にどんな見返りを約束したかは知らないが、確実に味方につけてるのが、よくわかった。
黙っていたトルペンが大きく頷く動作をすると、ケルヴィンは大げさに驚いてみせる。
「なるほど、宰相補もご賛同いただけるのですね。殿下も同じ考えと伺っております。この案件は可決と考えてよろしいですね?」
場の流れが近衛軍再編成に是と傾きかけた時、リセオット内政官が発言を求めた。
「ケルヴィン殿のご提案、確かに一理あると私も思います。ですが、貴君も私も文官です。ここは専門家である武官の意見を聞いても良いのではありませんか?」
彼女の私も一方的にはやられませんわよという意思が伝わってくる。
「小生もそう思いますぞ、ケルヴィン君」
尻馬に乗って猿顔のネルレケス内政官も慌てて同意を示す。
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