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「なるほど、将軍のご見識に感服いたしました。けれど、そのお話あまりに古色蒼然でありませんか。覚えている者も何人いましょうか」
「あくまで、わしの個人的思い入れに過ぎんさ。ただ、お前さんが正当性を論じたので、それに答えたまでのことだ。それと、カイロニアの近衛軍司令ティオドルフは優秀な男でな。彼を今の地位から降ろすのは勿体無いと思っておる。つまりは、近衛軍の再編成に賛同できかねるというわけだ」
「ご意見として、しかと承りました。ありがとうございます……それでは他の方のご意見も確認しましょう」
結局、賛成はオレ、トルペン宰相補、ラーデガルト前尚書令、ニールアン前聖神官、ケルヴィン内政官、グルラン将軍、ザーレフ大神官の七名。
反対はライル公爵(代理)、ネルレケス内政官、カイル公爵(代理)、リセオット内政官、アーキス将軍の5名。
棄権、ホーフェン大神官、1名。
以上となった。
グルラン将軍が賛成側につくとは思ったけど、ザーレフ大神官がこちらについたのは意外だった。
まあ、賛成と言っても「私は皇女殿下に一任いたします」とハアハアしながら言われたので、純粋な賛成とは思えなかったけど。
って言うか、近くに寄って来るな。マジで泣くぞ。
それと、ホーフェン大神官は「世情の争いごとには無縁でありたい」との趣旨から棄権した。
結果、賛成多数で近衛軍の再編成は決することになった。
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