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『神から与えられたこの力を有効に使うのは“使命”だと私は信じているわ。だから、神のために……信者のために私はこの力を使い続けるつもりよ』
(あたしは、どうなんだろう?
何のために、この力はあたしに与えられたのか。
深く考えたことなんてなかった。
帝都に来て、この力を使うことを厭わなかったのはイクス様のためだったからだ。
罪悪感が希薄だったのも、お役に立てるのが嬉しかったせいだ。
なら、今のあたしが“この力”を使う理由は…………)
『でね、という訳で貴女には大神殿に所属してもらいたいの……』
……リデルのために使いたい。否、使うべきなのだ。
『最初は助神官からだけど、ゆくゆくは私の跡を継いで……えっ、皇女殿下のため?』
はい、“この力”を使うのなら、リデルのために使いたいと思います。
『…………それは立派な考えだと思うけど』
ありがとうございます、パティオ様。
今まで、もやもやしていたのが、すっきりしました。
自分こと、前向きに考えられそうです。
『ええ……よ、良かったわね。助けになれて幸いだわ』
ど、どうかされましたか?
何だか、落ち込んでいるように見えますけど……あ、力は使ってないですよ。
『え、ああ、それは心配してないから。とにかく貴女とお話できて私も嬉しかったわ』
はい、あたしもです。
『皇女殿下には、よろしく伝えてね』
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