皇女直轄領と帝国海軍

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 帝国参事会の翌日、オレはシンシアの言うところの『自意識過剰で策士家気取りのいけ好かない男』と来客用の応接間で顔を突き合わせていた。  正直、オレの体調は最悪で不機嫌そのものだ。  何故なら昨晩、約束どおりノルティとオーリエ達とお泊り会を決行したせいで、はっきり言って寝不足なのだ。    今回、特筆すべき点は、珍しくアレイラが参加してくれたことだ。  今まで、こうしたイベントには頑なに加わろうとしなかったのに、突然参加したいと言われてちょっと驚いた。  どういう心境の変化かわらないが、良い傾向だと思う。  なので、みんな最初からテンションが上がって、取るに足りない話で盛り上がったり、つまらないことで笑いこけたり、いつまでたっても眠くならなかった。  やがて、一人落ち二人落ち、気がつけばいつの間にか全員があちらこちらで寝落ちしていたという惨状だ。    翌朝……と言うより、つい先ほどシンシアに叩き起こされ……もとい、優しく起こされ、一同で朝食をとって解散したばかりだった。  午前中に公式な予定のなかったオレとしては再びベッドに潜り込みたい気分だったけど、ケルヴィンが訪ねて来たので会わないわけにはいかなかった。  シンシアに言わせれば、面談の約束を忘れていたオレの方が悪いのであり、ケルヴィンは少しも悪くないのだそうだ。
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