第5章・深まる不信感

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当時、大学生だった夫も、その塾で講師をしていた。 出会った時、私は19歳で夫は22歳。 バイト仲間として顔を合わせるうちに、私は夫に惹かれた。 知的で穏やかな人柄も、大人びたセンスや端正なルックスも、すべてが好みで。 夫から交際を申し込まれた時は、嬉しくて舞い上がった。 交際は順調で、不安や不満を感じたことは一度もなかった。 初めてキスした瞬間、初めて結ばれた夜、夫が公認会計士の資格試験に合格した時、プロポーズされた時…… 私はいつだって幸せに包まれていた。
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