第5章・深まる不信感

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「ごめんなさい」 一年前の言葉を出されたら、私は謝るしか出来なかった。 私が頭を下げると、夫も優しい口調に変わる。 「由布香の気持ちも分かるし、子供のことは申し訳ないと思ってる。だけど今は仕事も忙しいし、俺の気持ちや状況も理解して欲しい」 その場では口答えせず、夫の言い分を受け入れた。 本人の意志がなければ、不妊治療など無理だから。 浮気の疑惑も心の中ではモヤモヤしていたが、追及は諦めるしかなかった。
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