第5章・深まる不信感

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◆ ◆ ◆ その後、私たち夫婦の距離は広がるばかりだった。 ずっとダブルベッドで一緒に寝ていたのに、ベッドを別々にされたのだ。 セックスは少なくても同じベッドで眠ることが大切……。 私はそう思ってきたから、ショックで打ちのめされた。 「熟睡できないんだ。ベッドを別々にした方が、由布香だって好きな時間に寝やすいだろ? 俺の帰りが遅い時は、先に寝てていいから」 「もっと大きなベッドに買い替えるんじゃダメなの?」 食い下がってみたものの、夫の反応は冷たくて。 「ベッドは別にした方がいい。その方がよく眠れると思う。眠りが浅いと仕事に差し支えるんだ」
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