第5章・深まる不信感

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それは、9月に入ったばかりの日曜日。 夫は昼間、「ちょっと事務所に行って来る」と家を出た。 どうしても今日中に資料を確認したい、とのことだった。 夕方には戻るらしく、夕食は一緒に食べる約束をしていた。 そして約束通り、夫は夕方6時頃に帰ってきた。 玄関で夫を出迎えた時、最初に感じた違和感は匂い。 夫の身体から香水の匂いを感じたのだ。 昼に家を出た時は、そんな匂いなどしなかった。
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