第5章・深まる不信感
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その日、夫が帰って来たのは9時過ぎ。 最近ではこの時刻でも早い方だ。 「おかえりなさい。今日は話したいことがあるの」 玄関で靴を脱ぐ夫に向かって、私は告げた。 「どうした? 帰って早々」 夫は怪訝そうに眉を寄せる。 「先にお風呂入るでしょ? その後でいいから話したい」 「わかった。じゃあ軽く飲みたいから、用意しといて」
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