第5章・深まる不信感
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「理穂さんの見た朱色のシャツが、あなたのと似てるの」 「俺はその日、ずっとスーツだったぞ!」 「そうよね……」 「朝と夜、由布香だって見ただろ?」 夫は強い口調で私をねじ伏せようとする。 「だいたい朱色のシャツなんて、どこにでもあるだろ」 「そうかしら? 男性で朱色は珍しい方だと思うけど」 「おいおい、本気で疑ってんのか? 俺のことが信じられないのか?」
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