第6章・溢れる涙と優しいキス

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沈黙が流れ、私は必死で話題を探す。 当たり障りのない話で間を持たせたかった。 だけど、私より先に景太が告げる。 「俺はやっぱり先生が好きです」 10年前と同じような、まっすぐな告白だった。 済んだ瞳も、引き締まった顔つきも、私に向ける真剣な眼差しも。 景太の若さと純粋さが眩しかった。 気持ちには応えられないけれど、嬉しくないと言えば嘘になる。
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