第6章・溢れる涙と優しいキス

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「ありがとう。景太君の気持ちは素直に嬉しいわ。でも、」 先の言葉を続けようとした時、景太は遮って言う。 「分かってます。先生は結婚してるし、どうこうなろうとは考えてません」 「…………」 「ただ自分の気持ちを伝えたかっただけです」 景太の言葉が胸を打ち、心の奥まで染みてくる。 こんなにも感情移入してしまうのは、夫のことで辛い思いをしているからだろう。 私は泣きそうになる自分を、深呼吸して必死に抑えた。
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