第6章・溢れる涙と優しいキス

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それでも涙はこらえ切れなかった。 抑えようとすればするほど、おさまり切らない感情が溢れ出す。 「先生、大丈夫ですか? 俺の告白が先生を困らせたなら、本当にすみません」 「違うの、そうじゃなくて」 涙の理由は景太のせいじゃない。 ここ1年、ずっと悩んできた結婚生活や自分の人生と絡まって、感情が爆発したのだ。 でも、そんな事情は景太に打ち明けられない。 景太は何も言わず立ち上がると、泣いている私の隣に来た。
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