第6章・溢れる涙と優しいキス

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理穂の口調や表情には、強い感情がこもっていた。 きっと煮え切らない私を、歯がゆく思っているのだろう。 だけど理穂には翔君がいる。 理穂の強さは母親の強さでもある。 でも私には何もない。 いま夫を失ったら、何にも無いのだ。 自分が惨めで情けなかった。 7歳も年下の理穂に相談し、諭されている自分が……。
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