第6章・溢れる涙と優しいキス

8/27
前へ
/27ページ
次へ
理穂の好意はありがたかったし、翔君に会いたい気持ちもあった。 でもそれ以上に、今は一人になりたかった。 惨めさに耐え切れなかったのだ。 それに可愛い翔君と接したら、ますます子供が欲しくなる。 そして子供を持てない自分が悲しくなる。 夫の浮気で悩んでいる今は、翔君と会うのさえ辛い……。 ◆ ◆ ◆ アパートを出た私は、俯いてぼんやりと歩いていた。 だから間近で声をかけられるまで、景太の存在に気づかなかった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加