第7章・初恋の同級生

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景太との出来事は誰にも言えなかった。 夫の浮気を相談した理穂にさえも。 景太の前で泣いたことや、抱きしめられてキスされた記憶は鮮明に残っていたけれど、それでもどこか夢のような気がする。 一週間が過ぎても景太からは連絡がない。 だから余計に、あれは夢だと錯覚しそうだった。 だけど、たとえ夢でも、私の心は確実に癒され救われていた。 あの日以来、夫のことで苦しむ時間が減っている。 夫の冷めた態度も、別々のベッドで寝ることも、以前ほどは胸が痛まない。
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