第8章・恋の始まり

16/23
前へ
/23ページ
次へ
「成人式で集まったのをきかっけに、毎年やるようになったんじゃないかな。由布香ちゃんは、その頃どこにいたの?」 「その頃なら東京で一人暮らししてた。大学が東京だったから」 「そっか」 「陽生君は? 今日までどんなふうに過ごしてたか知りたい」 陽生君はビールを飲むと、悪戯っ子みたいな笑顔で言う。 「じゃあお互い、あらためて自己紹介だね。俺も由布香ちゃんの今日までを知りたいし」 「私は特別なことなんかないけど……」 陽生君の笑顔と温かい言葉が嬉しくて、私も自然と微笑んでいた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加