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電話を終えた理穂は泣き出していた。
「翔君、大丈夫なの?」
理穂は私の言葉を無視して、夫に詰め寄る。
「渉さん! お願い、一緒に来て! 一緒に翔を迎えに行って、アパートへ帰りましょう!」
「無理だよ。頼むから落ち着いてくれ」
「翔を引き取りに行かなくちゃ……お願い、渉さん! 一人じゃイヤ!」
理性のタガが外れて泣き喚く理穂は、まるで別人。
恋に狂った女の情念を撒き散らしていた。
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