第12章・夫の告白

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電話を終えた理穂は泣き出していた。 「翔君、大丈夫なの?」 理穂は私の言葉を無視して、夫に詰め寄る。 「渉さん! お願い、一緒に来て! 一緒に翔を迎えに行って、アパートへ帰りましょう!」 「無理だよ。頼むから落ち着いてくれ」 「翔を引き取りに行かなくちゃ……お願い、渉さん! 一人じゃイヤ!」 理性のタガが外れて泣き喚く理穂は、まるで別人。 恋に狂った女の情念を撒き散らしていた。
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