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私の口から冷めた声が出る。
「あなた、理穂さんを送ってあげたら」
「なに言ってるんだよ」
夫が私を凝視して言い返した。
「夜遅いし、アパートまで送ってあげればいいじゃない」
「そうよ、渉さん! 由布香さんには好きな男の人がいるのよ! だから私と帰って!」
「由布香に男がいるなんて俺は認めてない! 認めない!」
私はうんざりした溜息を吐く。
もうたくさん! 恋に狂った理穂も、身勝手な夫も!
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