第12章・夫の告白

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「あなたまで興奮しないでよ。送るだけ送って、帰ってくればいいじゃない」 私は突き放したつもりだったが、夫の受け取り方は違った。 「そうだな。送るだけなら、まぁいいか」 すかさず理穂が夫にすり寄った。 「行きましょ、渉さん」 「夜道が心配だから送るだけだぞ」 夫は釘を刺したように言うが、理穂の耳には入っていない。 早く夫と二人きりになりたいのか、理穂はいそいそと玄関に向かった。
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