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私の言葉で我に返った理穂は、慌てて時計を見た。
10時40分。
「あずけ先に電話してみます。もし大丈夫なら、もう少し話したいです。このままじゃ私、帰れません」
「私は構わないけど、翔君を一番に考えてね」
私が言うと、夫も便乗してくる。
「今夜は遅いし、帰った方がいい。また日を改めよう」
「渉さん、ズルイ! だったら一緒に来てよ。もう由布香さんに隠す必要ないんだから、私のアパートに来て!」
「ごめん、それは出来ない。日を改めて、きちんと話し合おう」
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