80人が本棚に入れています
本棚に追加
まさか綾が恋人と別れていたなんて……。
しかも別れの理由が、陽生君に告白するためだなんて……。
その潔さに私は打ちのめされていた。
今の綾にしてみれば、私はずるく見えるのだろう。
私は綾の方に身体を向け、率直な気持ちを伝える。
「綾には何を言われても仕方ないと思ってる。でも、これだけは分かって。私は自分の気持ちを止められなかったの。優越感とか、そんなのは一度も思ったことない。ただ陽生君が好きで、自分の歯止めが効かなくて、」
言葉の途中で綾が口を挟む。
「由布香って恐い。罪悪感も全然なかったの?」
最初のコメントを投稿しよう!