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「全然、ってわけじゃないけど……」
「でも自分の感情で突っ走ったんでしょ?」
「そう言われると否定できないわ」
陽生君がたまりかねたように口を挟む。
「感情で突っ走ったのは俺なんだ。由布香ちゃんは俺に引っ張られたようなモンだよ」
「陽生君は黙ってて。これは私と由布香の問題なの。私は由布香に相談してて、由布香は私の気持ちを知ってたんだから!」
松井君がハラハラした顔で綾を宥める。
「綾ちゃんの気持ちは分かるよ。でもさ、こうなっちゃったら仕方ないと思うんだ。由布香ちゃんを責めても、綾ちゃんが辛くなるだけだよ」
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