第17章・束縛

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理穂は硬い表情で言うが、見ると指先に血が滲んでいた。 包丁で切ったのだろう。 まな板の上には、まだ途中らしき玉ネギのみじん切りがある。 「その指、手当てした方がいいわ」 「大丈夫です」 「ううん。消毒してバンソコウを貼りましょう」 最初は拒否していた理穂も、そのままでは台所仕事にも差し障るので、しぶしぶ私の手当てを受けた。  私は理穂の指にバンソコウを巻きながら、何気なさを装って尋ねる。 「翔君は元気?」
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