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私は何としてでも理穂の本音を引き出したかった。
理穂の気持ちを知らなければ、味方につけることも出来ない。
しかし理穂は私の質問に答えない。
「傷の手当て、ありがとうございました」
それだけ言うと私に背を向け、再び包丁を持って玉ネギを刻もうとする。
「まだ理穂さんは夫を好きなの?」
私は無視されても、理穂の背中に声をかける。
「私は早く離婚して、陽生君と一緒になりたいの。理穂さんなら私の気持ちも分かるでしょ?」
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