第17章・束縛

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玉ネギのみじん切りを終えた理穂は、ニンジンの皮をむき始めた。 「理穂さんが夫と一緒になりたいなら、私は全面的に協力する。だから、私の話を聞いて!」 理穂は無言のまま、皮をむいたニンジンを刻んでいく。 トントンとリズミカルな音が響き、理穂は私を無視して台所仕事に没頭していた。 「こんなの、理穂さんは嫌じゃないの?」 「…………」 「私だったら耐えられない。好きだった人の家庭で、奥さんもいるのに家政婦なんて。惨めな気分にならない?」 わざと攻撃的な言葉を投げてみた。 理穂が怒って感情を出してくれたら、それが突破口になる気もして……。
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