71人が本棚に入れています
本棚に追加
理穂が自分の考えを主張し始めた。
この調子で理穂の本音を、もっと曝け出したい。
「それはそうね。翔君を育てるために、お金が必要なのは分かるわ」
「…………」
「理穂さんは子供のために自分の感情を捨てた、ってこと?」
「捨ててなんかいません。子供は私にとって一番大事ですから」
「理穂さん、変わったわね……。翔君を夜遅くまでママ友に預けて、恋に夢中だったこともあったのに」
「あの時の私は、どうかしてたんです。そこまで夢中になるほど、価値のある男じゃありませんでした。……奥様の由布香さんに言うのも失礼なんでしょうけど」
理穂の言葉は本音なのか、それとも私への対抗心なのか。
最初のコメントを投稿しよう!