第18章・罠

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出された料理に箸もつけず、真剣に頼む夫を見て少しだけ心が動く。 「食べないの? せっかくの料理が冷めちゃう」 「食事どころの気分じゃないからさ」 夫は真剣な顔を崩して照れ臭そうに笑う。 その柔らかい照れ笑いは、かつて何度か見たことがあった。 初めてデートした時。 プロポーズしてくれた時。 披露宴のあと、二人だけでホッとくつろいだ時……。
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