第18章・罠

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「本当に離婚してくれるの?」 「ああ」 しっかりと頷く夫に私は問いかける。 「どうして、そんな気になったの? 急だから驚いたわ」 「俺の中では急なことじゃない。ずっと考えてたんだ。どうするのがベストなのかって」 「…………」 「由布香は離婚の意志を曲げないだろうし、かと言って、すぐにアメリカへ行かせるのは嫌だった。俺の勝手な気持ちだけど」 夫は思慮深い口調で率直な本音も吐露していた。
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