第18章・罠

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メールを打っている最中も、送った直後も気持ちは昂ぶっていた。 『愛してます』という言葉も自然に書いていた。 陽生くんは眠っているのかな……。 真夜中だからすぐの返信は期待していなかったけれど、数分後に返事が届く。 『ありがとう。本当に良かった! アメリカで待ってるから!  それまでお互い頑張ろう。 由布香を愛してます』 読み終えた瞬間、一気に涙が溢れ出す。 ちゃんと心が通じ合っているのを感じ、嬉しくてたまらない。 洗面所の蛇口を捻り、勢い良くお湯を出す。 泣き顔を洗おうとするが、涙はあとからあとから流れてきた。
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