第18章・罠
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◆ ◆ ◆ 翌朝、理穂は現れなかった。 私は玄関まで夫を見送る。 「じゃあ行ってくる」 「行ってらっしゃい」 出勤前の夫に声をかけるのも久しぶりだった。 一人になった私は食卓に戻り、飲みかけのコーヒーを啜る。 監視役の理穂もいない今なら、家を抜け出すのは簡単。 しかし、そんな気持ちにはならなかった。 慌てなくても数ヵ月後の私は完全に自由の身なのだ。
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