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抜け出す気満々だったのに、私は出鼻をくじかれていた。
“由布香にとって悪い話じゃない”
頭の中で夫の言葉が何度も再生される。
その言葉に支配されたように、私は動けずにいた。
話の内容がやはり気になるのだ。
まず夫の話を聞こう。
その後でも抜け出すチャンスはあるから……。
そう思ってしまった私は、お茶を淹れて夫が風呂から出るのを待つ。
入浴を終えた夫がタオルで頭を拭きながら、食卓に腰を下ろした。
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