第18章・罠
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私は平静を装いながら夫の動向を窺っていた。 心臓は早鐘を打ち、気が変になりそうだった。 落ち着いて……! 財布と携帯電話さえ持って出れば、あとは何とかなるんだから! 自分に言い聞かせ、必死で呼吸を整える。 コートやスーツを脱いだ夫は風呂場へ行こうとするが、立ち止まり私の方を向いて言った。 「大事な話がある。風呂を出たら話し合いたい」 突然のことに私は虚をつかれた。
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