74人が本棚に入れています
本棚に追加
「当たり前でしょ! こんなの酷いわ! 訴えることもできるのよ!」
私の叫びを夫は一笑に付す。
「訴える? 旅行に同意した時点で、誰も由布香の訴えには耳を貸さないよ」
悔しくて身体が震えた。
こんな夫を信じた私が馬鹿だった。
本当に大馬鹿だ。
「私を騙したのね? 最初からそのつもりだったの?」
私が責めると夫は哀しそうな顔になり、静かに告げた。
「騙したんじゃなくて、俺は賭けたんだ」
最初のコメントを投稿しよう!