第18章・罠-2

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「当たり前でしょ! こんなの酷いわ! 訴えることもできるのよ!」 私の叫びを夫は一笑に付す。 「訴える? 旅行に同意した時点で、誰も由布香の訴えには耳を貸さないよ」 悔しくて身体が震えた。 こんな夫を信じた私が馬鹿だった。 本当に大馬鹿だ。 「私を騙したのね? 最初からそのつもりだったの?」 私が責めると夫は哀しそうな顔になり、静かに告げた。 「騙したんじゃなくて、俺は賭けたんだ」
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