第18章・罠-2

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夫がベッドからすくっと立ち上がった。 また乱暴されるのではと恐怖がよみがえる。 「嫌よ、来ないで……」 小さく叫んでバスルームに引き返そうとしたが、夫は反対方向へ進む。 私は部屋の隅で身を固くし、夫の行動を見つめていた。 夫は旅行バッグのある場所へ行くと、ゴソゴソとバックの中を探している。 そして大きな封筒を取り出すと、ベッドサイド以外の灯りも点けた。 夫は封筒をテーブルに置き、私を見て告げる。 「これ、由布香に渡す物だよ」
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